昆虫にとって美とは何か?

まるで、高級ペンダントのようなデザインなのである。
なぜ、こうも緻密で美しい意匠が生まれたのだろうか。
いかに人間ががんばったとしても、自然の力には適わない感じだ。




しかし、といつも思うのもまた事実だ。
昆虫たちは自らを美しいとは全く意識してないだろう。
人間がそう思うだけなのだ。
あるいは、何のこだわりも躊躇いも疑問も持たずに
日々淡々と生きていくと、姿もカタチも美しくなるというのだろうか。





哲学者、三木清がいみじくも
「自由とはモノにおいての自由である」と看破したように、
「昆虫の美は、人においての美」なのである。

つまり、昆虫のデザインそのものは真実であり続けるが、
美という価値は、人がいなくなれば、
いとも簡単に消えていってしまうのである。