いつものように冬が来て、いつものように冬ごもりを始める昆虫たちを見かけるようになりました。 １年はあっという間に過ぎていきます。陽の巡りが一日だとすると、季節の巡りは一年、昆虫たちの 命の巡りも１年と言えるでしょうか。人間たちはおおよそ百年…

それは、昆虫たちと向き合っていて感じることのひとつです。太陽の光も、星の光も、青い空も、群青 色の空も、冷たい風や雨も、温かな雪も、そのすべてが、誰にも平等にふりかかってくるんだなぁ、と。 もっと言えば、生きていくことも、歳をとっていくこと…

一般的に言って、昆虫たちは回りの風景に溶け込む色をしている。保護色である。緑の葉の中の緑の虫、 茶色の枝にからまる茶色の虫。敵から見えにくい色をして、自ら身を守っているわけだ。しかし、世の 中は面白いもので、赤い虫もいる。緑の葉の中で目立つ…

光線の具合いで、色を自由に変える。タマムシの翅と同じだ。光沢のある深い緑は、樹木を覆う葉から。 輝く金色は、甘い樹液から、深い黒は、樹木の持つ記憶からもらったのだろうか。【玉虫色】とは、見 方によって色々解釈できるあいまいな表現の例えだが、…